昨年12月から、東京、大阪、名古屋、福岡の各家庭裁判所では離婚調停など家事調停にWEB会議が導入されています。
これまでは、WEB会議でも離婚成立時に限っては家庭裁判所に出頭しなければならないのが原則でした。
そのルールが変わり、家庭裁判所まで出頭することなくWEB会議で離婚調停が完結するようになるようです。
実際のところは、これまでも一方当事者が遠方に住んでいる時には電話会議+「調停に代わる審判」が広く活用されていました。
電話会議によって調停を進め、離婚条件について合意が成立したときに家庭裁判所がその内容どおりの「調停に代わる審判」を行うことで、遠方の当事者は家庭裁判所に一度も出頭することなく離婚することができてきました。
そのため、今回の改正によって「遠方の家庭裁判所までわざわざ行かなくてもWEBで離婚できるようになる」と言うとややミスリードです。
もっとも、WEB会議+離婚成立時も出頭不要なのであれば、双方ともに一度も家庭裁判所まで行くことなく調停を終えることができます。
便利なのは間違いなく、京都家裁でのこれらの制度導入が待たれます。
京都地方裁判所での民事訴訟はほぼ全件WEB会議を使うようになっており、本当に京都地裁に足を踏み入れることが激減しました。
遠からず、地裁だけでなく家裁に行くこともなくなるのでしょう。
「昔は離婚調停のたびに家庭裁判所に行く必要があったんじゃ。待合室が狭くてのぅ…」と言って若い者を驚かせるのが、今から楽しみです。