成年後見人に就任すると、ご本人名義の預金口座は全て名義変更することになります。
「山田太郎成年後見人河本晃輔」という長い名義になるわけです。
その名義変更の手続が、なかなか手間がかかります。
金融機関の窓口でいろいろな書類に記入するわけですが、名義変更だけでなくキャッシュカード発行のための書類、通帳がなければ通帳紛失届なども記入する必要があります。
金融機関ごとに作る書類は違い、住所欄に書く住所も金融機関ごとにご本人の住所だったり成年後見人の事務所住所だったり様々です。
それらの書類を口座ごとに記入しなければならないので、ご本人がいろいろな金融機関に多数の口座を持っているときには文字を書きすぎて手がガクガクになります。
成年後見人に就任してこの作業をするたびに手がつりそうになり、司法試験を思い出します。
司法試験はもう受けたくありませんが、内容や日程もさることながら、1試験当たり2時間かけて大量の文字をペンで書き続けなければならないのが(物理的に)ハードなのです。
弁護士になれば手書きで書面を作る機会はないのに、なぜ大容量の答案を手書きで書かせるのは当時から疑問だったものです。
PCで答案を作らせてブラインドタッチのスピードを競わせた方が、よほど実務家としての能力を測れると思うのですが。
何が言いたいかというと、金融機関のもろもろの手続ももうちょっとペンと紙を使わなくて済む方法にしてもらえないだろうかということです。
本人確認はいろいろな書類で済んでいるわけですから、あとは必要な手続に同意した記録だけ残しておけば、全ての書類に手書きで住所などを書かせる必要はないのではないでしょうか。
なぜ全ての書類に住所やらフリガナやらの記入が必要なのか、きっと金融機関の中の人も答えられないはずです。
それならそれは不要な作業なのではないか、と無駄嫌いの私は思うのです。
今週も、がんばりましょう。