
司法試験の選択科目にすら含まれていないけれども、知らなければ法律相談で大やけどするものと言えば。。。
そう、消費者法でございます。
民法だけでは頭を360度ひねっても解決できない問題も、消費者法の条文1つ知っているだけで解決できたりします。
逆に、弁護士がそれを知らなければ大変です。
消費者三法(消費者契約法、特定商取引法、割賦販売法)のうち消費者契約法について、二弁フロンティア12月号で特集がされていました。
分かりやすく、規定を見直すにはちょうど良い記事でした。
消費者法は新しい悪質商法に対応するためにときどきリニューアルされます。
思えば、私が法科大学院で消費者法を履修した時、消費者契約法で契約を取り消しうる行為として規定されていたのは、①不実告知、②断定的判断の提供、③不利益事実の不告知、④不退去、⑤退去妨害という5つだけでした。
ちなみにこの時は、なぜか履修者は4人しかおらず先生から4回に1度は当てられるため、うかうかうたた寝もできずとても勉強になりました。
それが今では、⑥過量販売(不要な量の商品を買わせる)、⑦不安をあおる告知(就活セミナー等)、⑧好意の感情の不当利用(デート商法等)、⑨判断力の低下の不当利用(高齢者等が不安をあおられる)、⑩霊感等による知見を用いた告知(霊感商法等)、⑪契約締結前に債務の内容の実施等(契約前なのに強引に代金を請求される等)まで、契約を取り消しうる行為が思いつく限り盛り込まれています。
法律相談ではしょっちゅう消費者分野の相談が寄せられますが、以上のいずれかに思い当れば即条文をチェックです(どの条文も結構長い)。
ちなみに消費者契約法適用の最初かつ最大の関門は、そもそも「消費者」にしか適用されないという点だったりします。
この点を知った上であえて個人事業主ばかりをターゲットにしていると思われる業者も見られます。
ただし、こちらが個人事業主だったとしても、代金を既に支払ったのかどうか(重要)、契約の内容・金額などによっては戦える余地はまだあります。
限られた相談時間の中で的確な回答ができるよう、ナイスミドルになっても知識のリニューアルに努めていこうと思います。