京都弁護士のおいでやす日記
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2023年10月

もはや自筆ではないのでは

2023年10月21日  【気になる記事】 

自筆証書遺言について、驚きのニュースがありました。

自筆証書遺言というと、全文(目録部分を除く)を直筆で記載しなければならない遺言のことです。

「自筆」証書なのですから、直筆なのは当たり前です。

ところが、その自筆証書遺言の本文をパソコンやスマホで作成できるようにする方向で、法改正に向けた議論が進んでいるそうです。

本人の意思の確認のため、署名は手書きにしたり、電子署名を活用したり、入力する様子を録画したりする案が検討される見通し、とのことです。

いやいや。

認知症がかなり進んでいるけれども自分の名前は綺麗に書けるという方もおられるわけで。

これまでは全文を直筆で書かなければならないという制約によって、本人の意思によることがある程度担保されていたように思います。

その制約がなくなれば、家族や第三者がパソコンで本文を作成して、本人に署名だけさせるというケースは間違いなく増えることでしょう。

これまでは遺言無効訴訟で遺言無効が認められるのは、決して簡単なことではありませんでした。

しかし、これからは遺言無効が認められるケースも増えるかもしれません(遺言無効訴訟の件数もきっと増える)。

とりあえず、自筆証書遺言という名前も変えなければなりませんね。

離婚後の共同親権

2023年10月1日  【気になる記事】 

離婚後の共同親権の導入がいよいよ現実味を帯びてきました。

とはいえ、単独親権を選択することも引き続きできることになりそうです。

また、共同親権を選択しつつ、監護者を指定するということも増えるのだと思われます。

つまり、今後も家庭裁判所が関わる案件では、共同親権の選択が望ましくない場合には単独親権が選択されるのでしょうし、その際は従来と変わらない基準で親権者が指定されるのではないでしょうか。

また、共同親権を選択しつつ監護者を指定する場合でも、やはり家庭裁判所は従来どおりの基準で監護者を指定するのだと思われます。

このように、これまでの家庭裁判所の根本的な考え方が変わるわけではないと思っています。

もっとも、共同親権が導入されれば弁護士としても一度頭をまっさらにしなければなりません。

また、共同親権に隠れていますが、養育費に先取特権を付与するという非常に重要な議論もされているようです。

養育費について、債務名義なしに一定額を差し押さえられるようになるのかもしれません。

もしそうなれば養育費は一層強い権利になりますが、面会交流について何か手当がされるのかは気になります。

いずれにせよ、離婚に関するルールが劇的に変わりそうで、議論の行方が非常に気になります。

自己紹介

  • 弁護士・税理士 河本晃輔
  • 京都弁護士会所属
  • 洛彩総合法律事務所(京都市右京区西院平町7クラエンタービル2階)
  • 京都で生まれ育つ。14年にわたる東京・北海道暮らしを経て京都に復帰。現在京都人のリハビリ中。
  • 趣味:旅行、アジア料理、パクチー、サイクリング、野球観戦、旅館探しなど
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