相続放棄は、被相続人(故人)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。
普通は被相続人の最後の住民票を取得すればよいだけの話で、最後の住所地がどこなのかで紛糾することはありません。
しかし、何十年も前に死去した被相続人について相続放棄を行うこともあります。
被相続人名義の建物が他人の土地上に長年残り続けており、土地所有者から連絡があるまで相続人はそれを知らなかったようなケースが一例です。
そうした時に相続人が相続放棄を行おうと思っても、被相続人の最後の住所地が分からないこともあります。
住民票や戸籍の附票の保存期間は、今でこそ150年ですが令和元年まではたった5年でした。
あっという間に廃棄されてしまうので、何十年も前に死去した人の住民票も戸籍の附票も、まず残っていません。
そうすると公的書類で最後の住所地を確認できないことになり、どの家庭裁判所で相続放棄すればよいのか分からず路頭に迷いそうになります。
しかし、そういうときは確認できる限りの情報から最後の住所地を判断し、その判断を記載した上申書を家庭裁判所に提出すれば、受け付けてもらえます。
被相続人名義の建物の所在地や本籍地といった情報から、最後の住所地は推測できるでしょう。
ちなみに、法務局で保管されている死亡届の記載事項証明書を取得することによって、そこに記載された最後の住所地を確認するという方法もあります。
これは最後の本籍地の法務局で保管されるそうなので、最後の住所地が分からなくても取得できます。
ただし、記載事項証明書にも保存期間があるようなので、活用には限界がありそうです。