私も、コンマを使うのはもうやめました。
裁判所が作成する文書は「公用文作成の要領」というルールに則っています。
この要領では「,」(コンマ)を使うというだけでなく、送り仮名や漢字・ひらがなの使い分けなど非常に細かいルールが決められています。
例えば、「いただきます」という語を「確認いただきます」のように補助動詞として使うときはひらがなを使うことになっていますが、「食事を頂きます」のように動詞として使うときは漢字を使うことになっています。
「てつづき」を漢字で書くときは、「手続き」ではなく「手続」と書くのが公用文としては正解です。
何事も規則性やルールが大切だと思います。
文書を書くときも、送り仮名1つ取っても規則性やルールに基づいていた方が読みやすく、形が整いますし、文書に締まりも出るものです。
そのため、たいていの弁護士はこのルールに則って文書を作成していますし、私もルールどおりではない文書を見るとムズムズするくらいこのルールを意識しています。
思えば、新人の年に開いた本第1位は「公用文用字用語例集」でした。
しかし、このルールの中で私が唯一もやもやとしていたのが「、」ではなく「,」(コンマ)を使うということでした。
「,」なんて英作文でしか使ったことがなく、世間で見ることも皆無ですので、「業界独自の風習」という感を強く受けるのです。
「,」を使うメリットをあえて挙げるとすれば、相手方当事者名で作成された文書が送られてきても、「,」が使われていると「弁護士に作ってもらったんだな(=弁護士に相談しているんだな)」と分かることくらいでしょうか。
そういうわけで、デジタル化、オンライン化、脱はんこ化など合理化の波が訪れているこの機に、役所がルールを見直すのを待たずして私も脱コンマを断行しました。
「、」は形のせいか切れ味があって(謎)、しっくりきています。